簡易巣の作り方†
ザルや、カップラーメンの容器の底に水抜きのちいさな穴をあけて利用します。巣ごと落ちてる場合は、これらの容器にそのまま巣を入れましょう。ヒナだけ落ちている場合は、容器の中に枯れ草やこまかくちぎったワラや新聞紙をこまかくさいたものをたっぷりつめて、お椀型の仮の巣を作ります。ヒナが3羽以上の場合には、これをそのまま次項の場所に固定します。
仮の巣を固定する際、ヒナや親鳥の体が触れる可能性がある範囲でガムテープを使用するのは止めましょう。翼や体の一部がガムテープにくっついてしまうと、これもまた命の危険に繋がります。テープ類は、設置時はきちんと貼られていても、時間がたつとはがれてくることも多々ありますから、使用しない方が安全です。
ヒナの数が1~2羽の場合には保温も必要になります。野生では兄弟同士であたためあうものですが、1羽や2羽では体が冷えるだけ弱ってしまいます。丸裸のヒナのレスキューを参考に保温して、簡易巣を入れたあまり深すぎない箱ごと設置してあげた方が安全です。巣の形が違っても、親鳥たちはあまり気にしません。
ツバメの巣はよく落ちます。ツバメの相談をよく受けるという知り合いの大工さんは軒下に棚を作って、浅いかごに巣を乗せて固定するそうですが、これまでのところ100%の確率で子育てがつづいているそうです。壁に固定せず、つり下げたままでも良いそうです。スズメっ子クラブには、ガレージの中から外へなど少々場所を移しても子育てが続いたというたくさんのレポートが届いています。最後の項目までしっかり読んで、親鳥が来ることまで確認してあげましょう。
簡易巣を取りつける安全な場所†
- ヒナが落ちていた場所からできるだけ近い場所
親鳥にとってはエサを運ぶ巣が二つになるので、できるだけ近くが良い
- 地上2mくらいの高さの安定のいい木の茂みや軒下
カラスなどに見つかりにくいようにできるだけ高い場所で、できれば雨にぬれない場所(地上近くに巣を作る種類の場合は地上近くに置く)
- 人通りが少なく、ホコリをよけられる場所
子育て中の親鳥は神経質になっているので、できるだけ静かな場所を選ぶ。工事などのために移す場合は工事で出る塵芥などにも気をつける
- 近くへの設置が難しい場合
いったん近めの場所に置いて親鳥に確認させて(エサを運んでいることを確認する)から次の場所へ移し、親鳥に確認させてからさらに次の場所へ移して設置する・・・という風に、親鳥を目的の場所まで誘導していく
特別な注意を必要とするケース†
以下のような場合には特別な注意が必要です
- 親鳥がヒナをみつけていない場合
親鳥がヒナをみつけてくれるまではこまめに世話をする必要がありますから、できるだけかくれて観察しやすい場所を選んで簡易巣を設置しましょう。定期的にエサを与え、雨の間や夜には室内に保護してあげて、早朝の鳥たちが活動を始める時間に外に出してあげます。親鳥と接触できるようになってから前項の1~3 の場所へ移してあげると良いでしょう。
- 弱っていたりケガがある場合
外に出さず、窓辺近くに置いてあげれば網戸越しにでもヒナの声は外に届きますから、ヒナの鳴き声で親鳥がみつけてくれます。こうして親鳥がみつけてくれた後、網戸を細く開けたおいたら親鳥がエサをくわえて室内まで運ぶようになったというレポートも届いています。回復するまで親鳥と共同でヒナを育てることができれば、ヒナの将来のためには理想のケースです。ただし、天敵の侵入や直射日光など危険とも隣り合わせなので、見守れないときにはかならず窓を閉めておくなど十分に気をつけてください。
参考になるサイト†
- つばめの飼育日誌「お急ぎの方へ(1)」(あきこさんのサイト)
- 「③親に返す」の項目にツバメのための簡易巣について詳しくあります。